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雨が降ると、傘がしまったりあいたりぬれたりしてくらげがふわんふわんと、泳ぐ。
彼女は実家に帰った。
電車を待つまでの間ずっと
「どうして帰るのかな。」
なんて言いながら、ずっと手に握ってたはずのウォークマンを探してたね。
ひらいた傘がひっくりかえって
ヒステリックに泣いた雨だって
今日も君に返すつもりないCDが鞄で音を立てるよ
歌詞カードが少し、ぬれてしまったけれど。
鞄に詰め込んだ授業で使う教科書。
やり場のない気持ち受け止めてくれてる気がしただけ。
気休め。
次の休みの約束は僕の手帳にしか書かれていない。
チーズを食べて脳みそに直接幸せを運ぼう
もう僕はそれしか脳みそを幸せにしてあげれない。
雨が止めば、傘は閉じるだけ。
電車のドアが閉じるだけ。
また、気持ちを思い出したら、題名をつけるよ。
くらげはふわふわんと、帰る。泳ぐ。