雑誌 。
君はそうやって
世界を蹴飛ばして
世界を知った気になってるんだね。
惰性からか、未練からか
同じ曜日に同じ雑誌を買う。
800円払っておつりが30円。
ほら、世界は何も変わってない。
日差しが少し強く、歩くスピードが少し早い
同じ喫茶店、同じ席。
500円払っておつりが40円。
ほら、世界は何も変わってない。
一ページ目を開いて雑誌の匂いをかぐ。
ヘンナニオイヘンナアツミヘンナコトバ
でも、もう笑えない。
色を失っていく。ページも失っていく。
記憶はもうない。
薄暗いライトが余計に僕達を悲しませる。
あぁ、悲しいのは僕だけか。
世界は変わってしまったね。
君はそうやって
僕を蹴飛ばして
僕を知った気になってるんだね。
なつかしくて、あまったるい液体をかき回して、いっきに飲み干した。