てんしの自由帳。

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女子高生のゆーうつ。いち 。

 

なんとなく皆の輪に入れなくなった。

私は北極の氷の上にたっているようで、どんどん自分の居場所は溶けてなくなっていき、足元はどんどん冷えていくのがわかる。そんな中、必死に歩けなくなることを阻止するために、足の指先をグーにしてみたりパーにしてみたり、こすり合わせてみたりして足を温めようともがいている。

「のぞみも、こっちおいでよ。」

なんとなく私は聞こえないふりをした。

なんとなく私は「私はのぞみではありません。」と顔にぺたりと貼り付けたようにボゥっとその輪とは違う方向を見ていた。

「、、、のぞみ?」

友達の一人は一応心配してくれたのか、声をかけてくれている。私は、いやいやながらも、長年染みついた愛想笑いを顔にぺたりと貼り付けた。

「ぁあっ、ごめんごめん、ちょっとぼーっとしちゃって。」

「よかった~。どうしたの?調子悪い?」

友達の一人はいったい私の何をみてどう判断したのかわからないが、私の体調を一応、心配してくれた。

「うん、大丈夫、大丈夫。」

私の愛想笑いのシールはそう返事をするのが精いっぱいらしくその後シィーっと剥がれてしまった。そして友達の一人は大きな友達の輪に戻り、また楽しそうにその他大勢の友達と昨日行ったのであろうショッピングモールでの出来事を思い出し反芻し永遠としゃべり続けている。

私はその会話にはついていけない。なぜなら、私は、そのお出かけに誘われていないからだ。要は、私はそのおおきな大陸に着陸することに失敗し、ゆらゆらと小さな氷の上に冷たい風に吹かれながら乗っかっている状況なのだ。どうしてそのようになったかは私にはわからない。私は今まで生きてきたように生活を営み、人に合わせ、穏やかに歩んできたはずなのに。いつからあちらの大陸へ行くことを諦めたのだろうか。それともはなから私はあちらの大陸に行き、その他友達大勢と冒険に出ることを拒んでいたのだろうか。それとも、大きな輪の中に混じることに対する憧れが大きすぎてその大陸は実は簡単にヒビが入りやすくなっていることを理解せず、やすやすとその輪の中に踏み込んでいたのだろうか。いずれにしても、私はもう、あちら側へ着陸できるほどの顔も知恵も能力も残っていない。このままあたしはゆらゆらと、死ぬまでずっと流されていくんだろう。友達の一人がまた心配して声をかけてくれる。

きっとこの声かけは友達おもいポイントを上げるための一環だろう。

 

「のぞみ、ほんとに大丈夫?なにかあったら言ってね!あたしたち、友達だから!」

 

私は今まで顔に張り付けていたお友達用シールのせいで頭がおかしくなって上手に息もできていなかったことが、ようやくわかった。一呼吸した。

これは、私のための呼吸。

 

「うん、ありがとう。もう、限界かも。」

 

多分もうじき私は違う大陸へ到着するだろう。そこではいい仲間と冒険へ出れることを期待に胸を躍らせている。